サクライワイ

サクライワイ
品種 サラブレッド
性別
毛色 栃栗毛
生誕 1971年5月18日
死没 不明(1987年用途変更
マタドア
グランドフェアー
母の父 ハロウェー
生国 日本の旗 日本北海道鵡川町
生産者 西山牧場
馬主 さくらコマース
調教師 高木良三(美浦
競走成績
生涯成績 26戦8勝
獲得賞金 1億2037万2200円
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サクライワイ日本競走馬。おもな勝ち鞍は安田記念スプリンターズステークス(連覇)。同期にはイットーイナリトウザイらがいる。

馬齢は当時の表記(数え年)とする。

戦績

3歳時

サクライワイは1973年8月5日の新馬戦でデビュー。ダート1000メートルとしてはこの夏最高のタイムを記録してデビュー戦勝利を収めた。続く北海道3歳ステークスは出遅れて最下位に終わったが、函館3歳ステークスは3馬身差で逃げ切った。この年の函館3歳ステークスは、不良馬場の上をいく極悪馬場[1]と称されるほどの泥田のような[2]馬場で、勝ちタイムは1分21秒7と言う遅さだった。また、このレースの勝利は後にサクラ軍団と呼ばれるさくらコマースにとっての重賞初制覇となった。その後のオープン2戦は1着、2着と記録した後に当時の関東の3歳王者決定戦である朝日杯3歳ステークスに出走したが8着に終わった。なお、重賞勝ち馬であったが戦績にムラが多く、最優秀3歳牝馬のタイトルは関西の3歳王者決定戦である阪神3歳ステークス2着はあったものの重賞勝ちはないイットーに奪われる結果となった。

4歳時

3ヶ月休養しクラシックシーズンを迎えたサクライワイは、阪神4歳牝馬特別に出走しハイペースを先行しながらも2着に入る。この好走とイットーの戦線離脱もあり、本番の桜花賞では1番人気に支持されたが、レースでは先行して直線で先頭に立ったものの、内から来た武邦彦騎乗のタカエノカオリに敗れ3/4馬身差の2着に終わる[3]。続くオークスでもタカエノカオリが故障引退した為に1番人気に支持されたが、距離が長かったことが祟りトウコウエルザの16着と惨敗した。

父がスプリンターを多数輩出していたマタドアだった事もあり、陣営はこれ以降短距離路線へ進む事になった。短距離転向後の初戦となった安田記念は、49kgの軽ハンデだったものの、勝ち馬キョウエイグリーンから離れた13着と惨敗に終わった。続く1200メートルのオープンをレコード勝ちしたサクライワイは、クイーンステークスに使った後にスプリンターズステークスへ向かった。3番人気に支持されたサクライワイは、最初の3ハロンを11秒9-10秒3-10秒9というハイラップで逃げ、最後の3ハロンも35秒3で纏めてそのまま逃げ切った。勝ちタイムの1分8秒4はキシュウローレルが持っていたレコードを1秒上回る日本レコードであった。こうして日本一の快速馬である事を証明したサクライワイだったが、その後は牝馬東タイ杯2着を含む2戦共々敗退で終わった。

5歳時

古馬となったサクライワイは、短中距離路線を走る事となるが、中山牝馬ステークスで2着に入ったものの、その他のレースでは全て3着以下、結局安田記念を迎えるまで7戦連続未勝利という結果に終わった。この様な状況で迎えた為、安田記念は53kgの軽ハンデであったが10頭中6番人気と人気を落としていた。サクライワイは稍重馬場を前半1000mを59秒8で逃げると直線でも脚色が衰える事無く、同年の牝馬アイアンロングに4馬身差で圧勝した。

その後は、続く1200mのオープン特別2戦をレコード勝ちを含む1勝2着1回と好走し、レース史上初の連覇をかけてスプリンターズステークスへ出走した。サクライワイは普段と違い4番手で進めたが、4コーナーで2番手に進出。直線でキャッシュボアをクビ差捉えて、自身の2連覇[4]とマタドア産駒のスプリンターズステークス3連覇を達成した。サクライワイはこの後2戦したが、クモハタ記念出走後に脚部不安を発症し休養。再起を果たす事無くそのまま引退した。

引退後

引退後は生まれ故郷の西山牧場繁殖牝馬として過ごしたが、産駒は新潟3歳ステークス3着のサクラテンセイが目立つ程度に終わった。子孫は現存しない。

血統表

サクライワイ血統ザボス系 / Phalaris 4×5=9.38%、 Bromus 5×5=6.25%) (血統表の出典)

*マタドア
Matador
1953 栗毛 イギリス
父の父
Golden Cloud
1941 栗毛 イギリス
Gold Bridge Golden Boss
Flying Diadem
Rainstorm Hainault
Stormcloud
父の母
Spanish Galantry
1945 栗毛 アイルランド
Mazarin Mieuxce
Boiarinia
Courtship Gainsborough
Garpal

グランドフエアー
1957 青毛 日本
*ハロウェー
Harroway
1940 黒鹿毛 イギリス
Fairway Phalaris
Scapa Flow
Rosy Legend Dark Legend
Rosy Cheeks
母の母
ディブレイク
1943 栗毛 日本
*ダイオライト
Diolite
Diophon
Needle Rock
第四パシフィック ラシデヤー
パシフイツク F-No.4-d


脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 井崎修五郎が選ぶ「これは凄い!続・名馬十番勝負」
  2. ^ 週刊Gallop臨時増刊100名馬Vol63 サクラローレル 36頁
  3. ^ この時のサクライワイの桜花賞2着は、2014年現在もさくらコマースの牝馬としてはクラシック最上位記録である。クラシック以外ではエリザベス女王杯サクラキャンドルが制している。
  4. ^ なお、4 - 5歳での連覇は当馬とメイワキミコの2頭の牝馬のみが記録している。

参考文献

  • 『週刊Gallop臨時増刊100名馬 Vol.63 サクラローレル』(産業経済新聞社)
  • 井崎修五郎が選ぶ「これは凄い!続・名馬十番勝負」 [VHS] 1994 フジテレビジョン
  • 『月刊馬劇場』1995年10月号 88-89頁 「女傑物語」 第15回 市丸博司

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ
日本の旗 安田記念勝ち馬
   

国際競走指定前:
01回(1951年) イツセイ
02回(1952年) スウヰイスー
03回(1953年) スウヰイスー
04回(1954年) フソウ
05回(1955年) クリチカラ
06回(1956年) ヨシフサ
07回(1957年) ヘキラク
08回(1958年) ラプソデー
09回(1959年) ヒシマサル
第10回(1960年) オンワードベル
第11回(1961年) ホマレボシ
第12回(1962年) トウコン
第13回(1963年) ヤマノオー
第14回(1964年) シモフサホマレ
第15回(1965年) パナソニック
第16回(1966年) ヒシマサヒデ
第17回(1967年) ブツシヤン
第18回(1968年) シエスキイ
第19回(1969年) ハードウエイ
第20回(1970年) メジロアサマ
第21回(1971年) ハーバーゲイム
第22回(1972年) ラファール
第23回(1973年) ハクホオショウ
第24回(1974年) キョウエイグリーン
第25回(1975年) サクライワイ
第26回(1976年) ニシキエース

第27回(1977年) スカッシュソロン
第28回(1978年) ニッポーキング
第29回(1979年) ロイヤルシンザン
第30回(1980年) ブルーアレツ
第31回(1981年) タケデン
第32回(1982年) スイートネイティブ
第33回(1983年) キヨヒダカ
第34回(1984年) ハッピープログレス
第35回(1985年) ニホンピロウイナー
第36回(1986年) ギャロップダイナ
第37回(1987年) フレッシュボイス
第38回(1988年) ニッポーテイオー
第39回(1989年) バンブーメモリー
第40回(1990年) オグリキャップ
第41回(1991年) ダイイチルビー
第42回(1992年) ヤマニンゼファー

国際競走指定後:
第43回(1993年) 日本の旗 ヤマニンゼファー
第44回(1994年) 日本の旗 ノースフライト
第45回(1995年) アラブ首長国連邦の旗 ハートレイク
第46回(1996年) 日本の旗 トロットサンダー
第47回(1997年) 日本の旗 タイキブリザード
第48回(1998年) 日本の旗 タイキシャトル
第49回(1999年) 日本の旗 エアジハード
第50回(2000年) 香港の旗 フェアリーキングプローン
第51回(2001年) 日本の旗 ブラックホーク

第52回(2002年) 日本の旗 アドマイヤコジーン
第53回(2003年) 日本の旗 アグネスデジタル

国際G1昇格後:
第54回(2004年) 日本の旗 ツルマルボーイ
第55回(2005年) 日本の旗 アサクサデンエン
第56回(2006年) 香港の旗 ブリッシュラック
第57回(2007年) 日本の旗 ダイワメジャー
第58回(2008年) 日本の旗 ウオッカ
第59回(2009年) 日本の旗 ウオッカ
第60回(2010年) 日本の旗 ショウワモダン
第61回(2011年) 日本の旗 リアルインパクト
第62回(2012年) 日本の旗 ストロングリターン
第63回(2013年) 日本の旗 ロードカナロア
第64回(2014年) 日本の旗 ジャスタウェイ
第65回(2015年) 日本の旗 モーリス
第66回(2016年) 日本の旗 ロゴタイプ
第67回(2017年) 日本の旗 サトノアラジン
第68回(2018年) 日本の旗 モズアスコット
第69回(2019年) 日本の旗 インディチャンプ
第70回(2020年) 日本の旗 グランアレグリア
第71回(2021年) 日本の旗 ダノンキングリー
第72回(2022年) 日本の旗 ソングライン
第73回(2023年) 日本の旗 ソングライン
第74回(2024年) 香港の旗 ロマンチックウォリアー

   

国際競走指定前:
01回(1967年) オンワードヒル
02回(1968年) スズハヤテ
03回(1969年) タケシバオー
04回(1970年) タマミ
05回(1971年) ケンサチオー
06回(1972年) ノボルトウコウ
07回(1973年) キョウエイグリーン
08回(1974年) サクライワイ
09回(1975年) サクライワイ
第10回(1976年) ジャンボキング
第11回(1977年) メイワキミコ
第12回(1978年) メイワキミコ
第13回(1979年) サニーフラワー
第14回(1980年) サクラゴッド
第15回(1981年) サクラシンゲキ
第16回(1982年) ブロケード
第17回(1983年) シンウルフ
第18回(1984年) ハッピープログレス
第19回(1985年) マルタカストーム

第20回(1986年) ドウカンテスコ
第21回(1987年) キングフローリック
第22回(1988年) ダイナアクトレス
第23回(1989年) ウィニングスマイル
第24回(1990年) バンブーメモリー
第25回(1991年) ダイイチルビー
第26回(1992年) ニシノフラワー
第27回(1993年) サクラバクシンオー

国際競走指定後:
第28回(1994年) 日本の旗 サクラバクシンオー
第29回(1995年) 日本の旗 ヒシアケボノ
第30回(1996年) 日本の旗 フラワーパーク
第31回(1997年) 日本の旗 タイキシャトル
第32回(1998年) 日本の旗 マイネルラヴ
第33回(1999年) 日本の旗 ブラックホーク
第34回(2000年) 日本の旗 ダイタクヤマト
第35回(2001年) 日本の旗 トロットスター
第36回(2002年) 日本の旗 ビリーヴ
第37回(2003年) 日本の旗 デュランダル

第38回(2004年) 日本の旗 カルストンライトオ
第39回(2005年) 香港の旗 サイレントウィットネス
第40回(2006年) オーストラリアの旗 テイクオーバーターゲット
第41回(2007年) 日本の旗 アストンマーチャン
第42回(2008年) 日本の旗 スリープレスナイト
第43回(2009年) 日本の旗 ローレルゲレイロ
第44回(2010年) 香港の旗 ウルトラファンタジー
第45回(2011年) 日本の旗 カレンチャン
第46回(2012年) 日本の旗 ロードカナロア
第47回(2013年) 日本の旗 ロードカナロア
第48回(2014年) 日本の旗 スノードラゴン
第49回(2015年) 日本の旗 ストレイトガール
第50回(2016年) 日本の旗 レッドファルクス
第51回(2017年) 日本の旗 レッドファルクス
第52回(2018年) 日本の旗 ファインニードル
第53回(2019年) 日本の旗 タワーオブロンドン
第54回(2020年) 日本の旗 グランアレグリア
第55回(2021年) 日本の旗 ピクシーナイト
第56回(2022年) 日本の旗 ジャンダルム
第57回(2023年) 日本の旗 ママコチャ

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