スクラムダイナ

スクラムダイナ
欧字表記 Scrum Dyna[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1982年3月21日[1]
死没 不明(1992年11月25日用途変更)
ディクタス[1]
シャダイギャラント[1]
母の父 ボールドアンドエイブル[1]
生国 日本の旗 日本北海道白老町[1]
生産者 社台ファーム白老[1]
馬主 (有)社台レースホース[1]
調教師 矢野進美浦[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀3歳牡馬(1984年)
生涯成績 6戦3勝[1]
獲得賞金 9914万3300円[1]
勝ち鞍
GI 朝日杯3歳ステークス 1984年
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スクラムダイナ(欧字名:Scrum Dyna1982年3月21日 - 不明)は、日本競走馬種牡馬[1]

1984年朝日杯3歳ステークス(GI)を制し、同年のJRA賞最優秀3歳牡馬に選出されたほか、翌1985年皐月賞(GI)では2着となった。

経歴

3歳時

社台グループの期待を受け矢野進厩舎に入厩したスクラムダイナは、秋の東京開催でデビュー。岡部幸雄を背に後続に10馬身差をつける圧勝であった。続く白菊賞(400万円以下戦)では前走の圧勝にもかかわらず単勝3番人気にとどまったものの勝利し、2戦2勝で東の3歳王者決定戦を目指すことになった。

そして迎えた東の3歳王者決定戦朝日杯3歳ステークス。連勝にもかかわらず内容を大きく評価されず4番人気にとどまった。レースでは、道中は内につつまれる窮屈な競馬になったものの、前走からコンビを組む柴田政人の好判断もあり、最終コーナーでは大外に持ち出しワンテンポ遅らせて仕掛け、鋭く伸びて快勝。3戦3勝、無敗で東の3歳王者となった。また、同じく3連勝で阪神3歳ステークスを制したダイゴトツゲキを抑えJRA賞最優秀3歳牡馬に選出され、名実ともに無敗の3歳王者に輝いた。

4歳時

ダービー制覇の期待を受け、春のクラシックに向かう緒戦に選ばれたスプリングステークス。例年は有力馬は弥生賞から始動することが多かったが、この年はスクラムダイナだけでなく、西の3歳王者ダイゴトツゲキやシンザン最後の傑作ミホシンザン、デビュー戦で弥生賞を勝ったスダホークに快勝し2勝馬ながらも注目されていたサザンフィーバーパーソロン産駒で京成杯勝馬のサクラサニーオー、3戦3勝のブラックスキーとクラシックで有力と目される馬が勢揃いしていた。

レースに向かうにあたり、主戦であった柴田政人はスクラムダイナ以外にミホシンザン、サザンフィーバーの主戦も務めており、騎乗馬選択という意味でも注目を集めた。柴田はミホシンザンを選択し、スクラムダイナにはデビュー戦で手綱を握った岡部幸雄の騎乗が決定した。

そして迎えたレース当日は、ミホシンザンに大きく離された2番人気にとどまった。レースは新コンビの増沢末夫を背に快調に逃げるサザンフィーバーのペースとなった。しかしサザンフィーバーは残り200 - 300メートルで落馬競走中止。第3コーナーで置いていかれかけ、直線は内をついたスクラムダイナにもサザンフィーバーの落馬は少なからず影響し、何とか立て直し一時は先頭に立ったものの、落馬の影響のない後方に位置し鋭い末脚で大外から伸びてきたミホシンザンに交わされ2着。初めての敗北となった。落馬したサザンフィーバーは直線で転倒し予後不良、安楽死となっている。

皐月賞ではミホシンザンが人気のなか、スクラムダイナは弥生賞1、2着の2頭(スダホーク、サクラサニーオー)に続く4番人気となった。レースでは、馬群で我慢しながら直線で大外に持ち出しての瞬発力勝負に賭けたが、コーナーでやはり後方に置かれてしまい態勢を立て直す間に、好位からミホシンザンが抜け出し快勝。スクラムダイナも追い込んだもののミホシンザンとの差は詰められず5馬身差の2着に終わった。

三冠確実と目されたミホシンザンが故障で不在となり迎えた東京優駿で、ファンが本命に支持したのは皐月賞不出走のシリウスシンボリであった。皐月賞2着のスクラムダイナは、皐月賞で先着したはずのスダホーク、サクラサニーオーに続く4番人気となった。レースはそれまでの長雨で馬場状態が悪化し、重馬場巧者のスダホークがまず抜け出しシリウスシンボリがそれに続いた。スクラムダイナは外を回りながらもコーナーで置かれ大外勝負という競馬になってしまい、シリウスシンボリが直線抜け出したころに伸びてきたが、スダホークに並んでから競り落とせず、写真判定の末に3着となった。さらにレース後、右第3中手骨骨折が判明し、ボルト埋め込み手術によって生命は助かったものの、復帰は叶わず現役を引退した。

引退後

引退後は、社台スタリオンステーション荻伏にて種牡馬入りするものの、活躍馬をまったくといっていいほど出せず1992年11月25日付で用途変更となり[2]、種牡馬を引退した。その後の動向は不明である。

競走成績

以下の内容は、netkeiba.com[3]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム 着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬)
1984.11.10 東京 3歳新馬 芝1400m(良) 11 6 6 002.10(1人) 01着 R1:24.8 -1.6 0岡部幸雄 54 (カミノコンドル)
0000.11.24 東京 白菊賞 400万下 芝1600m(稍) 15 2 3 006.20(3人) 01着 R1:36.6 -0.2 0柴田政人 54 (アサカサイレント)
0000.12.16 中山 朝日杯3歳S GI 芝1600m(良) 12 1 1 009.00(4人) 01着 R1:35.0 -0.3 0柴田政人 54 (ビンゴチムール)
1985.03.24 中山 スプリングS GII 芝1800m(稍) 11 3 3 006.50(2人) 02着 R1:49.8 -0.3 0岡部幸雄 56 ミホシンザン
0000.04.14 中山 皐月賞 GI 芝2000m(稍) 22 4 9 008.80(4人) 02着 R2:02.9 -0.8 0岡部幸雄 57 ミホシンザン
0000.05.26 東京 東京優駿 GI 芝2400m(重) 26 7 22 012.50(4人) 03着 R2:31.5 -0.5 0岡部幸雄 57 シリウスシンボリ

血統表

スクラムダイナ血統(ファイントップ系(タッチストン系) / Mahmoud5×5=6.25%、Bull Dog5×5=6.25%) (血統表の出典)

*ディクタス
Dictus
1967 栗毛
父の父
Sanctus
1960 鹿毛
Fine Top Fine Art
Toupie
Sanelta Tourment
Saranella
父の母
Doronic
1960 鹿毛
Worden Wild Risk
Sans Tares
Dulzetta Bozzetto
Dulcimer

シャダイギャラント
1974 鹿毛
*ボールドアンドエイブル
Bold and Able
1968 栗毛
*ボールドラッド
Bold Lad
Bold Ruler
Misty Morn
Real Delight Bull Lea
Blue Delight
母の母
*ギャラントノラリーン
Gallant Noralien
1963 黒鹿毛
Gallant Man Migoli
Majideh
Noralien Polynesian
Nipmenow F-No.1-l


脚注

[脚注の使い方]

注釈

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o “スクラムダイナ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年7月7日閲覧。
  2. ^ スクラムダイナ(JPN) - 血統書サービス、2022年7月15日閲覧。
  3. ^ “スクラムダイナの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2022年8月8日閲覧。

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ
(旧)最優秀3歳牡馬
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
最優秀2歳牡馬
2000年代
2010年代
2020年代
  • 1 2001年より馬齢表記法が数え年から満年齢に移行
    *2 1954-1971年は「啓衆社賞」、1972-1986年は「優駿賞」として実施
    *3 1986年は2頭同時受賞
朝日杯3歳ステークス
1940年代

第1回 アヅマホマレ

1950年代

第2回 トキノミノル / 第3回 タカハタ / 第4回 サンゲツ / 第5回 タカオー / 第6回 メイヂヒカリ / 第7回 キタノオー / 第8回 キタノヒカリ / 第9回 カツラシユウホウ / 第10回 ウネビヒカリ / 第11回 マツカゼオー

1960年代

第12回 ハクシヨウ / 第13回 カネツセーキ / 第14回 グレートヨルカ / 第15回 ウメノチカラ / 第16回 リユウゲキ / 第17回 メジロボサツ / 第18回 モンタサン / 第19回 タケシバオー / 第20回 ミノル / 第21回 アローエクスプレス

1970年代

第22回 オンワードガイ / 第23回 トクザクラ / 第24回 レッドイーグル / 第25回 ミホランザン / 第26回 マツフジエース / 第27回 ボールドシンボリ / 第28回 マルゼンスキー / 第29回 ギャラントダンサー / 第30回 ビンゴガルー / 第31回 リンドタイヨー

1980年代

第32回 テンモン / 第33回 ホクトフラッグ / 第34回 ニシノスキー / 第35回 ハーディービジョン / 第36回 スクラムダイナ / 第37回 ダイシンフブキ / 第38回 メリーナイス / 第39回 サクラチヨノオー / 第40回 サクラホクトオー / 第41回 アイネスフウジン

1990年代
2000年代
朝日杯フューチュリティステークス
2000年代
2010年代

第62回 グランプリボス / 第63回 アルフレード / 第64回 ロゴタイプ / 第65回 アジアエクスプレス / 第66回 ダノンプラチナ / 第67回 リオンディーズ / 第68回 サトノアレス / 第69回 ダノンプレミアム / 第70回 アドマイヤマーズ / 第71回 サリオス

2020年代

第72回 グレナディアガーズ / 第73回 ドウデュース / 第74回 ドルチェモア / 第75回 ジャンタルマンタル