生さぬ仲

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生さぬ仲』(なさぬなか)は、柳川春葉の小説。大正元年(1912年)、大阪毎日新聞連載。「生さぬ仲」とは、産みの親と子ではない、つまり継母と継子の関係を指している。柳川自身、4歳から継母に育てられ、その母とは不仲であった。連載の翌1913年(大正2年)に舞台化・映画化され、映画は1949年(昭和24年)までに10回にわたってリメイクされた。現在、小説は絶版である。

あらすじ

東洋漁業会社社長、渥美俊策の一子、滋をめぐって生母、珠江と、生さぬ仲の継母、真砂子との葛藤をえがく。

成瀬版映画あらすじ

ハリウッド女優をしている珠江は、前夫である俊策のもとに残してきた娘・滋子を取り戻すため、日本に一時帰国する。6歳になる滋子は後妻の真砂子を本当の母と思って育っている。俊策は事業の失敗から刑務所に収監され、家屋敷を失った真砂子と滋子は俊策の母・岸代とともに侘び家で暮らし始める。貧乏暮らしを嫌う岸代は、珠江に協力して、真砂子に内緒で滋子を連れだしてしまう。悲しむ真砂子は、俊策の友人・日下部に協力を求めて滋子の行方を捜す。珠江は一生懸命滋子の機嫌をとるが、滋子は継母・真砂子を慕い、家へ帰りたいと泣き暮らす。行方を突き止めた真砂子は珠江の家を訪ねるが、滋子とは引き離されてしまう。日下部は珠江に、本当の母とは何かを説く。泣き叫ぶ滋子を見て、ついに珠江は滋子を真砂子の元に戻し、アメリカで作った財産を真砂子に譲り、アメリカに帰っていく。

舞台

1913年(大正2年)2月、大阪浪花座初演。

映画

成瀬巳喜男版(1932年)、カットタイトル。

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、生さぬ仲に関連するカテゴリがあります。
  • 『生さぬ仲』柳川春葉著 (宏元社書店, 1935) - 近代デジタルライブラリー
  • デジタル大辞泉『生さぬ仲』 - コトバンク
  • 柳川春葉 生さぬ仲 - 国立国会図書館
  • 生さぬ仲 1913年版 - 日本映画データベース
  • 生さぬ仲 1916年版 - 日本映画データベース
  • 生さぬ仲 前篇、生さぬ仲 後篇 - 日本映画データベース
  • 生さぬ仲 1921年松竹版 - 日本映画データベース
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  • 新生さぬ仲 - 日本映画データベース
  • 生さぬ仲 1923年版 - 日本映画データベース
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  • 生さぬ仲 1932年版 - 日本映画データベース
  • 生さぬ仲 1949年版 - 日本映画データベース
  • 生さぬ仲 1949年版 - 映画.com
成瀬巳喜男監督作品
1930年代
1940年代
  • 旅役者(1940年)
  • なつかしの顔(1941年)
  • 上海の月(1941年)
  • 秀子の車掌さん(1941年)
  • 母は死なず(1942年)
  • 歌行燈(1943年)
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