シルクジャスティス

シルクジャスティス
1997年10月5日 第32回京都大賞典ゴール(奥。手前はダンスパートナー)
欧字表記 Silk Justice[1]
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1994年3月18日[1]
死没 2019年6月3日(25歳没)
登録日 1996年5月9日
抹消日 2000年6月30日
ブライアンズタイム
ユーワメルド
母の父 サティンゴ
生国 日本の旗 日本北海道新冠町
生産者 早田牧場新冠支場
馬主 有限会社シルク[1]
調教師 大久保正陽栗東
競走成績
生涯成績 27戦5勝[1]
獲得賞金 4億5797万円[1]
IC 120L(1997年)[2]
114E(1998年)[3]
114E(1999年)[4]
勝ち鞍
GI 有馬記念 1997年
GII 京都大賞典 1997年
GIII 京都4歳特別 1997年
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シルクジャスティス英語: Silk Justice)とは日本競走馬である。1997年の有馬記念などに勝利した。従兄弟に同期同馬主で皐月賞2着のシルクライトニングがいる。

戦績

3歳〜4歳春

シルクジャスティスは3歳の10月、京都の新馬戦でデビューしたがなかなか勝てず、初勝利までに5か月、7戦を要した。

デビューから8戦目の毎日杯で3着に入ると、続くオープン特別の若草ステークス、京都4歳特別を連勝し、日本ダービーへと駒を進めた。なお、京都4歳特別からジャスティスの引退レースになる2000年の金鯱賞まで藤田伸二が騎乗することになる。

日本ダービーで2番人気に支持されたジャスティスは後方から鋭く追い込むレース振りで、サニーブライアンの2着に健闘した。

4歳秋

秋は初戦の神戸新聞杯こそ8着に終わったが、続く京都大賞典ではダンスパートナー相手に勝利をおさめ、菊花賞の有力候補に挙がった。だが、菊花賞では1番人気に推されながら5着に敗れ、続くジャパンカップでも5着に終わり、掲示板には載るものの勝てないレースが続いた。

しかし、1997年12月21日の有馬記念にて、直線コースでのマーベラスサンデーエアグルーヴの叩き合いに突如割って入るか如く2頭を抜き去り1着入線、「初にして唯一」のGI制覇を果たす。それまでのGIでは惜敗続きだったが、藤田はずっと「この馬が一番強い」と信じ続け[5]、その想いが実った勝利となった。

5歳

1998年、5歳になったジャスティスは阪神大賞典から始動。メジロブライトとの叩きあいでハナ差敗れるも2強と目されるようになる。そして、天皇賞・春ではメジロブライトを抑え単勝1番人気に推されるが、直線で伸び切れず4着に敗れた。

宝塚記念でも6着に終わったジャスティスは、秋は京都大賞典3着からGI3連戦に挑んだが、天皇賞・秋は8着、ジャパンカップも8着、有馬記念も7着と掲示板にすら載れずに終わった。

6歳以降

1999年、6歳になったジャスティスは日経新春杯6着、阪神大賞典4着を経て、春の天皇賞に挑んだが、前年同様4着に終わってしまう。その後、ジャスティスは左前脚の球節を疲労骨折してしまい、約1年間休養することになる。

1年後の2000年5月27日、ジャスティスは金鯱賞で復帰したが、11着と殿負けを喫し、このレースを最後に現役を引退した。

種牡馬時代

2001年からCBスタッドで種牡馬入り[6]。2003年は新冠町農業協同組合畜産センター、2004年からは優駿スタリオンステーションで繋養される。2004年に初年度産駒がデビュー。年平均50頭程度に種付けをしていたが、散発的に地方競馬重賞勝ち馬を出すにとどまっていた。

2006年からは新ひだか町畠山牧場に移動し、畠山牧場の繁殖牝馬を中心に毎年一桁程度の種付けを行っていたが、2010年の種付けシーズン終了後に種牡馬を引退。引退後にバシケーンが2010年の中山大障害を制し、産駒の中央競馬重賞およびJ・GI初勝利を果たした。

その後も畠山牧場で余生を送っていたが、2019年6月3日、老衰のため死亡した[7][8]

主な産駒

競走成績

年月日 競馬場 競走名 頭数 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
1996 10. 12 京都 3歳新馬 12 9.8 (3人) 11着 藤田伸二 53 芝1200m(良) 1:12.2 (36.5) 2.2 ラガーシンガー
10. 27 京都 3歳新馬 12 26.2 (6人) 9着 福永祐一 52 ダ1200m(良) 1:15.7 (38.6) 3.2 オープニングテーマ
12. 7 阪神 3歳未勝利 10 8.0 (4人) 8着 藤田伸二 54 ダ1200m(稍) 1:16.9 (39.1) 2.1 エイシンフォーティ
1997 1. 7 京都 4歳未勝利 15 20.0 (8人) 5着 藤井正輝 55 ダ1800m(良) 1:57.1 (37.4) 0.8 カネトシダイアン
1. 25 京都 4歳未勝利 12 10.2 (4人) 2着 松永幹夫 55 ダ1800m(重) 1:52.9 (36.9) 0.1 ボストンファックス
3. 1 阪神 4歳未勝利 13 2.5 (1人) 3着 藤田伸二 55 ダ1800m(重) 1:56.7 (36.5) 0.4 ヴィクタールミネス
3. 16 阪神 4歳未勝利 8 1.4 (1人) 1着 武豊 55 ダ1800m(不) 1:53.9 (37.5) -0.2 (アラブノオウジ)
3. 23 阪神 毎日杯 GIII 14 64.0 (12人) 3着 河北通 55 芝2000m(良) 2:03.5 (37.0) 0.2 テイエムトップダン
4. 12 阪神 若草S OP 10 3.3 (2人) 1着 武豊 58 芝2200m(良) 2:14.8 (34.8) -0.3 (バーボンカントリー)
5. 4 京都 京都4歳特別 GIII 15 3.3 (1人) 1着 藤田伸二 53 芝2000m(良) 2:01.1 (34.7) -0.1 (プレミアムサンダー)
6. 1 東京 東京優駿 GI 17 6.2 (3人) 2着 藤田伸二 57 芝2400m(良) 2:26.1 (34.2) 0.2 サニーブライアン
9. 14 阪神 神戸新聞杯 GII 11 4.1 (3人) 8着 藤田伸二 56 芝2000m(良) 2:02.0 (37.6) 2.0 マチカネフクキタル
10. 5 京都 京都大賞典 GII 10 3.3 (2人) 1着 藤田伸二 55 芝2400m(良) 2:26.2 (34.2) 0.0 ダンスパートナー
11. 2 京都 菊花賞 GI 18 2.7 (1人) 5着 藤田伸二 57 芝3000m(良) 3:08.1 (34.1) 0.4 マチカネフクキタル
11. 23 東京 ジャパンC G1 14 7.0 (4人) 5着 藤田伸二 55 芝2400m(良) 2:26.2 (34.6) 0.4 ピルサドスキー
12. 21 中山 有馬記念 GI 16 8.1 (4人) 1着 藤田伸二 55 芝2500m(良) 2:34.8 (37.0) 0.0 マーベラスサンデー
1998 3. 22 阪神 阪神大賞典 GII 10 2.5 (2人) 2着 藤田伸二 58 芝3000m(良) 3:09.3 (34.0) 0.0 メジロブライト
5. 3 京都 天皇賞(春) GI 14 2.0 (1人) 4着 藤田伸二 58 芝3200m(良) 3:24.1 (34.6) 0.5 メジロブライト
7. 12 阪神 宝塚記念 GI 13 5.7 (4人) 6着 藤田伸二 58 芝2200m(良) 2:12.4 (35.1) 0.5 サイレンススズカ
10. 11 京都 京都大賞典 GII 7 4.3 (3人) 3着 藤田伸二 59 芝2400m(良) 2:26.0 (34.7) 0.4 セイウンスカイ
11. 1 東京 天皇賞(秋) GI 12 8.4 (3人) 8着 藤田伸二 58 芝2000m(良) 2:00.4 (36.4) 1.1 オフサイドトラップ
11. 29 東京 ジャパンC G1 15 11.7 (5人) 8着 藤田伸二 57 芝2400m(良) 2:27.2 (35.8) 1.3 エルコンドルパサー
12. 27 中山 有馬記念 GI 16 19.8 (6人) 7着 藤田伸二 57 芝2500m(良) 2:33.0 (35.7) 0.9 グラスワンダー
1999 1. 24 京都 日経新春杯 GII 12 6.6 (3人) 6着 藤田伸二 58.5 芝2400m(良) 2:31.7 (34.6) 0.3 メジロブライト
3. 21 阪神 阪神大賞典 GII 9 12.4 (3人) 4着 藤田伸二 59 芝3000m(重) 3:15.1 (38.7) 1.7 スペシャルウィーク
5. 2 京都 天皇賞(春) GI 12 22.6 (5人) 4着 藤田伸二 58 芝3200m(良) 3:15.8 (34.3) 0.5 スペシャルウィーク
2000 5. 27 中京 金鯱賞 GII 11 32.8 (6人) 11着 藤田伸二 59 芝2000m(稍) 2:00.7 (35.9) 2.2 メイショウドトウ

血統表

シルクジャスティス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ロベルト系ヘイルトゥリーズン系
[§ 2]

*ブライアンズタイム
Brian's Time
1985 黒鹿毛
父の父
Roberto
1969 鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Bramalea Nashua
Rarelea
父の母
Kelley's Day
1977 鹿毛
Graustark Ribot
Flower Bowl
Golden Trail Hasty Road
Sunny Vale

ユーワメルド
1983 鹿毛
*サティンゴ
Satingo
1970 黒鹿毛
Petingo Petition
Alcazar
Saquebute Klairon
Synaldo
母の母
ピーチガール
1976 鹿毛
*セダン Prince Bio
Staffa
メリーブラット *テスコボーイ
コンチネンタル
母系(F-No.) チップトップ系(FN:4-m) [§ 3]
5代内の近親交配 アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ シルクジャスティス 5代血統表2017年8月28日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com シルクジャスティス 5代血統表2017年8月28日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ シルクジャスティス 5代血統表2017年8月28日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ シルクジャスティス 5代血統表2017年8月28日閲覧。
  • 半妹テイエムシャルマン(父ステートリードン)の仔(本馬の甥)にテイエムトッパズレ(京都ハイジャンプなど)がいる。
  • 祖母ピーチガールの半妹ツキメリーは東京3歳優駿牝馬の勝ち馬で、ツキメリーの産駒に東京優駿優勝馬メリーナイスがいる。
  • 祖母ピーチガールの半弟マイネルグラウベンはNHK杯の勝ち馬。

脚注

  1. ^ a b c d e “シルクジャスティス”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年2月5日閲覧。
  2. ^ 優駿』、日本中央競馬会、1998年2月、121頁。 
  3. ^ 優駿』、日本中央競馬会、1999年2月、33頁。 
  4. ^ 優駿』、日本中央競馬会、2000年2月、44頁。 
  5. ^ 1997年12月22日日刊スポーツ
  6. ^ JBISサーチ サラ系供用種牡馬一覧 - 2019年6月4日閲覧
  7. ^ シルクジャスティス号が死亡 - JRAニュース 2019年6月4日
  8. ^ シルクジャスティス死す、25歳 97年有馬記念V - 日刊スポーツ 2019年6月3日

外部リンク

日本の旗 有馬記念勝ち馬
   

国際競走指定前:
01回(1956年) メイヂヒカリ
02回(1957年) ハクチカラ
03回(1958年) オンワードゼア
04回(1959年) ガーネツト
05回(1960年) スターロツチ
06回(1961年) ホマレボシ
07回(1962年) オンスロート
08回(1963年) リユウフオーレル
09回(1964年) ヤマトキヨウダイ
第10回(1965年) シンザン
第11回(1966年) コレヒデ
第12回(1967年) カブトシロー
第13回(1968年) リュウズキ
第14回(1969年) スピードシンボリ
第15回(1970年) スピードシンボリ
第16回(1971年) トウメイ
第17回(1972年) イシノヒカル
第18回(1973年) ストロングエイト
第19回(1974年) タニノチカラ
第20回(1975年) イシノアラシ
第21回(1976年) トウショウボーイ
第22回(1977年) テンポイント
第23回(1978年) カネミノブ

第24回(1979年) グリーングラス
第25回(1980年) ホウヨウボーイ
第26回(1981年) アンバーシャダイ
第27回(1982年) ヒカリデユール
第28回(1983年) リードホーユー
第29回(1984年) シンボリルドルフ
第30回(1985年) シンボリルドルフ
第31回(1986年) ダイナガリバー
第32回(1987年) メジロデュレン
第33回(1988年) オグリキャップ
第34回(1989年) イナリワン
第35回(1990年) オグリキャップ
第36回(1991年) ダイユウサク
第37回(1992年) メジロパーマー
第38回(1993年) トウカイテイオー
第39回(1994年) ナリタブライアン
第40回(1995年) マヤノトップガン
第41回(1996年) サクラローレル
第42回(1997年) シルクジャスティス
第43回(1998年) グラスワンダー
第44回(1999年) グラスワンダー
第45回(2000年) テイエムオペラオー
第46回(2001年) マンハッタンカフェ
第47回(2002年) シンボリクリスエス

第48回(2003年) シンボリクリスエス
第49回(2004年) ゼンノロブロイ
第50回(2005年) ハーツクライ
第51回(2006年) ディープインパクト

国際競走(G1)指定後:
第52回(2007年) 日本の旗 マツリダゴッホ
第53回(2008年) 日本の旗 ダイワスカーレット
第54回(2009年) 日本の旗 ドリームジャーニー
第55回(2010年) 日本の旗 ヴィクトワールピサ
第56回(2011年) 日本の旗 オルフェーヴル
第57回(2012年) 日本の旗 ゴールドシップ
第58回(2013年) 日本の旗 オルフェーヴル
第59回(2014年) 日本の旗 ジェンティルドンナ
第60回(2015年) 日本の旗 ゴールドアクター
第61回(2016年) 日本の旗 サトノダイヤモンド
第62回(2017年) 日本の旗 キタサンブラック
第63回(2018年) 日本の旗 ブラストワンピース
第64回(2019年) 日本の旗 リスグラシュー
第65回(2020年) 日本の旗 クロノジェネシス
第66回(2021年) 日本の旗 エフフォーリア
第67回(2022年) 日本の旗 イクイノックス
第68回(2023年) 日本の旗 ドウデュース